初めての

 実はこの2週間ほど、生まれて初めて入院していました。

 2年前から糖尿病の薬物療法を続けていたのですが、ここ最近、肝臓の値が悪くなってきていて薬の副作用の可能性が排除できないことと、直接は関係ないのだけど、昨年末くらいから体調の悪い日が続いていたこともあり、医者の勧めもあって糖尿病教育入院という形で入院することにしました。2週間の間、いろんな検査をしながら食事・運動・薬物療法をやり、血糖値のコントロールを学んでいくわけですが、同僚とかで、他の病院で同じような入院をした時には、強い薬を打たれる、とか屋上をひたすらグルグルと歩かされるなど、いろいろ嫌な噂を聞いていたのですが、気持ちとしては自衛隊の地獄の特訓を受けるつもりで入院したのですが、結果としてはそんなことは全然なくて、むしろ快適なくらいでした。こうした入院では薬の効果を高めるために一時的にインスリンを打ったりするらしいのですが、僕の場合は入院して早い段階から食事・運動両方の効果が出て順調に血糖値が下がったため、結局インスリンは使わなくて済み、さらに薬も一種類減らすことができました。結局肝臓についても、特に薬の影響とかではなく、食事と飲酒、睡眠不足などが原因のようで、入院期間中で健康値とまではいきませんが、かなり近いところまで改善することができました。ま、とにかくまだ体が壊れてしまったわけではなく、普段の生活がいかに体に負担を掛けていたのかということを、身をもって体験できたことが一番大きかったのではないかと思います。

 病院での典型的な一日は、

6:00 起床
7:00 血糖値測定
7:30 朝食
8:30 運動(自転車40分)
9:30 仕事(リモートで会社に接続)
11:30 血糖値測定
12:00 昼食
13:30 運動(自転車40分〜1時間)
14:30 仕事
17:30 血糖値測定
18:00 夕食〜風呂など
21:00 血糖値測定
22:00 消灯(実際に寝るのは23:30位)

 てな感じで、これらの間にいくつか検査が入ったりしていました。見ての通り、つらいとかよりも、規則正しい極めて健康的な生活でした。一応食事もカロリーと塩分を制限されていて、量は普段の食事と比べるとかなり寂しいものがありました。特に最初の頃は夕食の時間が速いため、夜お腹が空いてしまって寝れないこともあるくらいでしたが、一週間もすると量にも慣れ、満腹感を感じることもあったくらいです。このせっかく小さくなった胃をできるだけ維持したいものです。

 今回初めて入院してみて、特に内科病棟だったせいか、まあ周りにはいろんな患者さん、しかもかなり悪い人も居るわけで、特にご年配の方は、御見舞いに来る家族との会話なども含めていろいろ感じるものが少なくありませんでした。他にも、両親が入院している間にその両親のお金を使い込んでしまう娘とか、もう50台過ぎの夫婦なんだけど旦那のお見舞いに来てイチャイチャしてたり、一晩中「センセー!」「センセー!」と喚いてるおばあさん、本人は極めてしっかりしているのに息子にメールアドレス取得を禁じられているおばあさん、などなど、まあヒマってこともあって、病院にいるといろいろな人生の物語が見えてくる気がしました。

 まあ、そんなこんなで、この入院を通して一番考えたことが、Quality of Lifeということです。もちろん自分自身のせいで入院しなくてはいけないことになったわけですが、僕にとってのQualityっていうのは、良い仕事をして、友人と楽しく飲み食いし、ステキな音楽を聴いて演奏する、(フツーはこれに家族が加わるんだろうけど)ということに尽きると思うのです。糖尿病との付き合いは一生続くわけですが、今のところ海外出張禁止なわけではないし、お酒を飲んではいけないというわけでもないし、一緒に音楽をやる仲間もいるわけで、こうしたQualityを維持しながら、病気とも上手く折り合いをつけていければいいかなと思っています。というわけで、これからも遊んでくださいね。