リスクとチャレンジ

 なーんて題名だと、さぞITのプロジェクトマネジメントかなにかの話をしなきゃいけないような気になってしまうのだけど、そんなレベルの高い話ではなく、もっともっと身近な話題。
 サンフランシスコから車で1時間弱北に行ったところにボデガベイっていう、ヒッチコックの「鳥」の撮影をした場所があるのだけど、その辺は実は絶好のサーフィンの穴場でもある(僕はサーフィンはしないのだけど)。で、そこでサーフィンをしていた20歳の女の子が体調2メートル以上のホオジロサメに足をかまれて海に引きずり込まれたのだけど、なんとか背びれを叩いて脱出して、事なきを得たという。松葉杖はついていたけど、ニコニコ笑ってる写真が新聞に出てた。
 カリフォルニア、いやサンフランシスコ周辺〜サンタクルーズにかけては、サーフィンでは有名なポイントが多いのは確か。だけど、年に1回はサメにかまれたって話を聞くのに、なんでサメのいるところでサーフィンするんですか!!?それって普通の感覚なの?
 そんなわけで、すごーくレベルの低いところの話かもしれないのだけど、やっぱりアメリカ人て良い意味で馬鹿なんじゃないかと思うわけ。サメに食われるって、僕にとってはかなり究極的なリスクだけど、そういうリスクを侵してまで海はいりませんよ。でも、きっとアメリカの人って別に冷徹に可能性とかを考えたりする訳じゃなくて、それよりもサーフィンそのものを「楽しむ」っていうのを優先して海に入るんだよね、きっと。
 アメリカに来たばかりの頃、「At your own risk」っていう言葉がとても気に入ってて、「やっぱアメリカって大人の社会だなあ。やっぱり自己責任だよね。」とかって思ってたけど、逆に最近は、そんな馬鹿者(良い意味ね、一応)の相手をしないっていう意味で大人ってことなのね、って気が付いた。
 そうなのよ、きっとたらふく肉をがっついて、甘いモノたーっぷり食って、で、気休めにサプリメントまたは薬物で多少健康を保っている気になる、これも、鮫の泳ぐ海に入るサーファーみたいなもんではないのかと。ん、これはちと違う!?
 さて、今日は何が言いたいのかというと、リスクって言う言葉に対して、日本人が抱く感覚とアメリカ人の抱く感覚はかなり違うのではないか、ということです。日本ではリスクっていうのは、「あっちゃいけないこと」だけど、アメリカでは「起きうること」だと思うのよ。うーん、上手く伝わってない気がするのだけど、とにかく、リスクを前にしてビビるっていう感覚は多くのアメリカ人には無いと思う。日本人はリスクを前に立ちすくんでないだろうか?ん?僕?はい、結構ビビりです。