ライブ

 本当はそんなん見てる場合ではないのだけど、なんかすごく息苦しい感じがしていて、何とかならないかと思って、思い切ってJoyce with Dori Caymmi のライブに行ってきた。

 Yoshi'sってもともと音のいいライブハウスなのだけど、ボーカルは初めてだったせいか、Doriの切なく浮遊する感じと、Joyceのキレとハリのある声、二人の完璧なハーモニーと素晴らしいリズムがとてもよく聴こえた。始めはDoriによるCorcobadoで始まり、上のCDから2曲くらいと、後は二人の代表的な曲とボサノバやサンバのスタンダードなどなど。で、なんと言ってもアンコールで「飛行機のサンバ」(ピエールバルーのSaravahで最後に歌ってるやつ)と、もう途中から涙が止まりませんでした。
 チベットに「死者の書」ていうのがあって、死ぬ間際の人にその書を読んで(ま、お経みたいなもんですな)、死の国に安心して旅だってもらう(成仏させる)というのがあるけれども、僕死ぬときには是非Dori CaymmiかJoyceか(あとはToninho Horta)の声で死んでいきたいなあ、なーんて思っちゃうくらい、すごく良かった。バンドもいつものJoyceの旦那Tutty Morenoや、よく知らなかったけどとても上手いベース、Pはちとリズムがイマイチだったけどかなり気合いの入った演奏で、会場も始めは比較的おとなしかったのが、最後の「飛行機のサンバ」では踊り出す人がでてくるなど、あっという間の1時間半だった。
 聴いててすごく感じたのは、「この感動を伝えたいなあ」ということ。もちろん、こうしてBlogを書くのもその一つだけれども、僕には実際に音楽を演奏するという能力がある。感じたことを実際に音として表現するにはやはりテクニックが必要なのだけど、やっぱりこうした「伝えたい」モノがまずあって、テクニックとかっていうのは、あくまでもそうした感情を伝えるための手段。だとすると、やっぱり練習って言うのは必要なのだけど、それ以上に「伝えたい」モノを作ったり、見つけたり、そうした探求って重要で、音楽にとっては、それはやっぱりまずはいろいろな音楽を聴くこと、それも出来ればライブだよなあ、と改めて思い直したのでした。土曜のライブと日曜のレコーディング(本当にあるのかなあ・・・)で、なんとか少しでもこの感動を伝えられると良いなあ。
 ふと思ったのだけど、僕仕事でこの「伝えたい」モノに相当するのって、なんなんだろう・・・