久しぶりの旅

 久しぶりに旅にでてみました。とは言っても、別に三連休を利用して海外とかに行ったわけではなく、ほとんど日帰りレベルの旅ですが、それでもなかなか刺激的な旅になりました。

 ちょうど友達とスケジュールが合ったので、途中まで前の日に移動して、で、案の定飲み会へ。そしたらまたやってしまいましたー、2軒ほど行って途中から記憶は曖昧で、結局明け方かな?ただちゃんとホテルには戻ってきました。本当は午前中には目的地の大阪に入ってお好み焼きでも食べたかったのですが、とてもそれどころではなく、結局チェックアウトギリギリまでホテルに居て、歩くのが辛かったので駅までもタクシー、でそこからの電車も多少時間は掛かるのだけど、できるだけ乗り継ぎをしないようなルートに変更して、で、電車が発車するとともに、こみ上げてくるモノを抑えながら爆睡。

 大阪には昼過ぎに入り、胃の調子がずっと良くないので、とりあえず胃酸を薄めるために水を飲みつつ、結局メシをとるのは断念して、そこから南海電車河内長野へ。思ったより都会だとは思いましたが、そこからは1時間に1本しかないバスで目的地へ向かいます。
http://amanosan-kongoji.jp/index.html
 で、なんでわざわざこんなところに来たのかというと、この日11/3は、このお寺の所蔵する「日月山水図」の年にたった2日しかない公開日だったというわけなんです。そう、この絵(屏風)は、夏に読んだ日と月と刀 上のモチーフとなった絵なのです。この一枚の絵を求めての旅っていうのも、なかなかオツなもんじゃあないでしょうか。

 で、拝観料を払ってお寺に上がり込んで、迷路のような回廊を抜けてたどり着いたのが、南北朝時代の御所だったという建物。実際に玉座が置いてあり、その横の部屋に、お目当ての屏風が2双ありました。天気が曇ってたせいか明るさが足りず、思ってたよりもオンボロな印象はありましたが、そんなことはどうでも良くなるような圧倒的な迫力です。漆黒の(実際には銀箔らしい)の半月と金箔の満月、稜線に漂う霞としぶきを上げる波、次々に沸いて出る雲と海に注ぎ込む滝、このような様々な、一見二元的な要素が対比されていると思いきや、絵全体としてみると圧倒的な力で統一されている、というよりも、春夏秋冬の季節の移り変わりによって、全てモノが変容していく、そんな印象です。丸山健二の本では、主人公が”無碍”というものを体得していく様子が描かれていますが、あー、まさにこの絵はそういうことなんだなあと、まずは実感することができました。でも、今は本の影響が強いですが、多分、いろんな精神状態で見ることで、いろんな解釈ができる、そういう一枚なのだと思います。実際には30分ほどだったかなあ、見続けていると絵の動きに翻弄される気がして、疲れてきてしまったので、外に出て庭園やお寺の周りを散策してみました。

 まだ完全に紅葉まではいきませんが、それでも、いい感じに色づいてます。このくらいの方が庭園は綺麗な感じですね。30分ほど歩いて、日も暮れてきたのでまた1時間に1本しかないバスで帰路に付きました。

 新大阪まで行って新幹線の指定席を取ろうとしたら、あー、やっぱり三連休の3日目、全然空いてない。仕方ないので背に腹は替えられず、グリーン車に乗って帰ってきました。結果的にはゆっくりできて、ようやくこの日最初のゴハンを食べることができました。どうでもいいことですが途中名古屋で、ブラザートムと元巨人・中日の川相が乗ってきました。ま、そんなわけで、弾丸トラベラーでもなく、大名ツアー旅行でもないですが、なかなか体調が回復しない中でもちょっとした非日常が楽しめて、やっぱり旅は楽しかったというわけでした。

 ちゃんちゃん。